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  • 執筆者の写真Kokoro

『Le vent de hope-風が届ける明日への詩-』 Ange Vierge if episode finale“Miumi”Epilogue

更新日:4月9日

前書き


こんにちは~、リーダー

やらせてもらっています奈菜です。

Le vent de hopeも残りエピローグだけに

なってしまいました!

最高のフィナーレになっております!

私のエピローグオススメBGMは

初音ミク「桜ノ雨」です!!

PCの方はよければ別タブで開いて

聴きながら読んでいただければ幸いです~!

それではどうぞ!


ーーー紗夜は、もう一度目を開ける。

彼らと暮らした日々は、本当にかけがえのないもの。

自分はーーーここにいるすべてのプログレスとαドライバーは、先輩方に今後の学園を託された者。

そしてーーー最強のプログレスと最高のαドライバーの意志を受け継ぐ者。

それは、誰もが理解している。

壇上で目を閉じて何も言わない自分を見て、きっとみんな不安に思っているだろう。

紗夜は、「ーーー失礼しました。」と一言言ってから、目の前にいる卒業生たちと在校生たちを見据えて、自分の言葉で言った。

「ーーーでも、私たちは、不安は見せたくはありません。

今、この場にいらっしゃらない先輩方お二人は、いつも笑顔でした。

そんなお二人に、私たちはこの世界の行く末を託された、その意味はとても大きいものです。

ーーーいつか、お二人と私たちが再び相まみえるその日まで、私たちはこの世界を見守らなくてはならない。

私は、そう思っていますーーー」


原稿にない言葉を終え、再び原稿を開いた紗夜は、そのまま原稿にある言葉を紡ぐ。

自分たちが、先輩方に教えてもらったこと。

一緒にブルーミングバトルを戦ったこと。

時にはぶつかり合い、互いの絆を深めていったこと。

ひとつひとつではとても語り尽くせないほどの思い出を、紗夜はひとつひとつ、噛み締めるように語る。そしてーーー

「ーーー以上を以て、在校生の挨拶と致します。ご清聴、本当にありがとうございました。」

拍手が巻き起こる。

卒業生からも、在校生からも、教員席からも、来賓席からも。

一礼をして降壇する紗夜を見て、ソフィーナはぽつりと呟く。

「…まったく、紗夜ったら。とんでもないことをしでかしてくれるんだから。」

呆れ顔で言う割に、その顔は明るい。

ーーーこれは、あたしもただの挨拶にすることはできなくなってしまったわね。

ソフィーナがそう思った直後、

『ーーー続いて、卒業生代表挨拶に移ります。

卒業生代表、「理深き黒魔女」ソフィーナ』


呼ばれたソフィーナが立ち上がり、再び壇上へと上がる。

ソフィーナは、用意していた原稿を取り出すこともせずに、そのままマイクへ向かってーーー目の前にいるすべての人へと語りかけた。


「ーーーみなさん、私たちの旅立ちを心から祝福してくださり、本当にありがとうございます。

先ほど、在校生の挨拶にてお話がありましたが、この場に、友として、共に笑い、共に泣き、時にはぶつかり合いながら一緒に暮らした二人がいないこと、それは、私たちの心に影を落としてはいない、と言えるものではありません。それほどまでに、彼らの存在は私たちにとっても大きく、そして貴いものでした。

彼らは、私たちにたくさんのことを教えてくれました。

共に手を繋ぎ、助け合うこと。

どんなに突き放されても、手を伸ばしつづけること。

人を愛することが、とても貴く素晴らしいことであるということ。

種族や世界、そして時間の垣根を越えて、互いを友と認めること。

たとえ敵対するものであっても、決して信じることをやめないこと。

彼らがいなければ、私も、そしてみなさんも、きっと理解が追いつかないことだったでしょう。

在校生代表からのお話の通り、私たちは、二人にこの世界を託されました。彼らの救ったこの世界を、ずっと守っていく義務を負いました。

ならば、今度は私たちが、二人を信じる番です。

彼らが戻ってくるその日まで、私たちは、5つの世界を各々見守りながら待ち続けましょう。

再び、5つの世界が脅かされた時は、再びここに集い、共に脅威へと立ち向かいましょう。

私たちなら、きっとできるはずです。

私たちは、優しく、強く、そして希望を忘れない二人に、この場を託された者なのですからーーー」


講堂を包み込む、けたたましい拍手。

それは、紗夜の時と同じ、あるいはそれよりも大きいかもしれない。

ここにいるみんなは、きちんとわかっているから。

あの日ーーー青蘭学園の学生たちは、美海と大河の言葉を…全員が、心の中で語られる彼らの 声を聞いていた。

特異点のこと。

世界の真実。

そして、これからのあの二人の役割のこと。

正直、自分たちはそんなことをいきなり言われて、動揺しないわけがなかった。

それは、事実上の二人との別れだから。

でもーーーソフィーナは…いや、この場にいる全員が、同じように思う。

自分たちは、彼らにこの世界を託された。

彼らの戻ってくるであろう、この世界を。

ならば、私たちがすべきことをしよう。

いつか帰ってくる、あの二人のために。

今の言葉には…もちろん、先ほどの紗夜の言葉にも、その想いがすべて詰まっている。

だからこそ、みんなは拍手を止めない。

自分たちも、同じ思いだから。

拍手が鳴り止むことのない中、ソフィーナはあらかじめ用意していた原稿を読み上げる。

美海と大河の二人と過ごした、この学園。

二人との思い出以外にも、たくさんの思い出がある。

それらひとつひとつを心に刻み込むように、ソフィーナは言葉を紡ぐ。そしてーーー


「ーーー以上を以て、卒業生の挨拶と致します。たくさんの拍手、そしてご清聴、本当にありがとうございました。」


ソフィーナの目から、つうっ、と、頬に向かって一筋の涙が伝う。

でも、笑顔は絶やさない。絶やしたくない。

この場に美海と大河がいたら、きっと「泣かないで」と言ってくれるのだろうから。

笑顔なんていらないと思っていた自分に、笑顔の意味とそれが持つ力を教えてくれたのは、あのお気楽なバカップル二人だから。

挨拶を終え、ソフィーナが一礼して席に戻る。

それまで、拍手がなり止むことはなかった。


ソフィーナが席に戻るとともに、次の式次第が読み上げられる。


『卒業生斉唱』


卒業生たちが立ち上がると同時に、ピアノの鍵盤がゆっくりと、それでいてしっかりと音階を刻み始める。

この青の世界、その中にある日本という国。この青蘭学園の敷地も有するその国では、一直線に、時には回り道をしながら、自分の夢見る未来に向かうべく学園を巣立つ卒業生が、必ず斉唱する楽曲がある。


『ーーー仰げば尊し 我が師の恩

   教えの庭にも はや幾年

   思えば幾年 この年月

   今こそ別れめ いざ、さらばーーー』


ピアノの伴奏に続いて、各々の唇が音階を刻み、声となって広がったその音は、伴奏と混じりあい、溶け合い、講堂全体を覆う。

『仰げば尊し』と呼ばれるその曲。

この曲は、長きにわたり、この青の世界の日本という国で、送り出されるものたちの決意を表す曲として歌い継がれてきた。

ーーーこの曲には、忘れられつつある歌詞がある。


『ーーー互いに睦みし 日頃の恩

   別るる後にも やよ忘るな

   身を立て 名をあげ やよ励めよ

   今こそ別れめ いざ、さらばーーー』

 

かつて、この青の世界が、世界中を巻き込む大戦争を経験したという。

当然、軍国主義を敷いていたこの国もその戦争を戦い、多くの…あまりにも多すぎる犠牲を払いーーーそして敗れた。

その後、いつの日か、この曲の二番の歌詞が、教育の場から消えた。

あの時、惨禍を振り撒いた軍の姿勢が、この歌詞の一部に表れているように思える。この平和になった国でもなお、子供たちにその歌詞を歌わせ、またその惨禍を、今度は子供たちに繰り返させようというのかーーー

そんなことを誰が言い出したのかはわからない。だが、学園組織において、その言葉は、その苦く悲惨な経験を繰り返すまいとする者たちの心からの祈りとして、大衆に受け入れられたことは間違いなかった。結果として、多くの学園の卒業式からこの二番の歌詞は歌われなくなり、教科書からも消え、この青蘭学園の卒業生たちも、その歌詞を教えられることはなかったはずだった。


しかし、今日のこの日、青蘭学園を旅立つ卒業生たちは声を上げて歌う。

忘れ去られたはずのこの歌詞を。

今、ここにいない二人ーーーあの時、最前線で戦い、世界を救い、そしてその後、どこにいるのか、生きているのかすらわからなくなってしまったーーー日向 美海と風渡 大河、自分達が友人として慕う、最強のプログレスと最高のαドライバーのために。

きっかけは、図書館での出来事。

図書館でプリシラの手伝いをしていたソフィーナが、一冊の本を見つけるところから始まった。

それは、この曲の二番の歌詞が載っていた頃の、青の世界の古い教科書。

ーーーこの歌詞は、あの二人にこそふさわしい。


ソフィーナは、瞬時にそう思った。

彼女は、その歌詞をこう解釈する。


「これは、仲の良い友達同士の、未来に向かうお互いに向けた言葉の掛け合いを歌っている」


二人とも、友人を作ることが好きだった。

何度も、ありがとう、ごめんなさいを言い合った。

時には喧嘩もした。


ーーーそれでも、自分達は彼らと友達だった。


それは、ここで歌うすべての卒業生が、同じように理解している事実。

それを全身で表すかのように、卒業生たちは声高らかに歌う。


「ーーー朝夕慣れにし 学びの窓

   蛍の灯火 積む白雪

   忘るる間ぞなき ゆく年月

   今こそ別れめ いざ、さらばーーー」

卒業生が歌い終えた後、一斉に立ち上がったのは、在校生たち。

ーーーもうすぐ、卒業式は終わる。

この場にあの二人がいなくとも。

時間は、刻々と過ぎていく。

だが、ここで流す涙は、悲しみの涙ではない。

二人の残してくれたこの世界を自分達が守っていく、そんな決意を込めた涙。


『ーーー学園歌、斉唱』


最後の式次第が読み上げられる。

再び始まるピアノの伴奏。

入学以来、何度も歌ってきた曲。

二人と一緒に、みんなで歌った曲。

青蘭学園の生徒たちは、高らかに歌う。

きっとどこかにいる二人に届け、そう願いながら。

それから、年が過ぎて。

「ご…ごめんなさい!遅くなりました!」

ぱたぱたと足音を立てて走ってくるマユカに、ソフィーナが言う。

「もう、マユカ、待ちくたびれたわよ。」

「ごめんなさい…後輩たちの育成が忙しくて…昨日も、遅くまでお布団に入れなくて…」

「マユカさん、やっぱり、もう立派な軍人さんなんですね。」

「ふふ、大忙しね。でも無理はいけないわよ?」

ソフィーナと一緒にマユカを待っていたセニアとアウロラが、フォローするように言う。


青蘭学園を卒業した後、各々は自分の世界へと戻った。

ミルドレッドに代わる新しい魔女王となり、黒の世界を統治することとなったソフィーナ。

七女神の一人として、改めて赤の世界の象徴として返り咲いたアウロラ。

ユーフィリアと共に、白の世界を拠点にして、特異点の爪痕を調査しているセニア。

優秀なプログレスとなった功績により統合軍大尉に昇進した後、指導教官となったマユカ。

だが、彼女たちは、必ず一年に数度、こうして顔を合わせることにしている。

かけがえのない友達だから。

それ以外に、理由なんて必要ない。


だがーーー


『ーーーやっぱり、あの二人がいないと寂しい。』


四人の口から、同じ言葉が飛び出す。

その瞬間ーーー


ざあっーーーーーと音を響かせて、風が吹いた。

「…今のって…。」

マユカが、ぽつりと呟く。

「…マユカも、感じたのね。」

「…私もです。」

「…私もよ…。」

ソフィーナ、セニア、アウロラの順で言ったと思うと、その瞬間ーーー四人は、ぱっ、と同じ方向に駆け出していた。

まさかーーー

本当にーーー

息を切らせて走ってきたところは、かつて自分達の学舎であった場所。

その校門の前にーーーいた。


「ーーーここに来るのも、久しぶりだね。」

「…そうだね、もう、みんな卒業しちゃってるんだよね。ソフィーナちゃんやアウロラちゃんやセニアちゃん、マユカちゃん…他のみんなにも会いたいなぁ…」

「大丈夫だよ。きっとまた会える。」

「…もしも会えたら、みんなにこの子のこと、紹介しなくちゃね。えへへ…絶対びっくりするよね。」

目の前で仲睦まじく話すのは、四人が忘れもしない二人。

風渡 大河と、日向 美海。

少し大人びているものの、間違いない。

大河と美海が、こちらを振り向く。

美海の胸の中に大事に抱かれていたのはーーー小さな小さな、新たな命。

卒業の際に歌った、『仰げば尊し』。

これは、元は日本の曲ではなかったのだという。

元は違う国の言葉で歌詞がつくこの曲で、自分達…あの世代の青蘭学園の卒業生たちが感銘を受け、そして歌った二番の歌詞ーーーかつての戦火に呑まれた記憶を甦らせてしまうと忌み嫌われ、忘れ去られようとしていた歌詞ーーーその原文の意味。


幾年も後の未来に、私たちは愛と真実の場を夢見るーーー


大河と美海は、ソフィーナたちを見て、一瞬驚いた表情を見せてーーーそれから、満面の笑顔で、こう言った。


「ーーーみんな、ただいまーーー」


『Le vent de hope』fin

Thank you for you are reading my stories!



後書き、及び著者から皆様へのメッセージ


みなさん、お楽しみいただけたでしょうか。

2018年4月に原案を考えた「Le vent de hope」なのですが、アプリさんのお話が進むにつれて、書いても大丈夫なのかな、とすごく悩んだりしたのですが、読んでみたいというみなさんの後押しもあって、無事にみなさんにお届けすることができて、本当に嬉しく思っているのです。前作も含めて、だいぶ私独自の解釈や表現が多々あるところなので、だいぶ支離滅裂な部分もあると思うのですが、楽しんでいただけたら幸いなのです。

…さて、実は、この場をお借りして、皆様にご報告しなくてはならないことがあるのです。

私の近況に関することでもあるのですが、一身上の都合により、この「Le vent de hope」以降は、お話を書くことができず、復帰するにしても、いつになるかはわからない、ということを、みなさんにお知らせをしたいと思ったのです。

具体的なお話をすると、新しくお仕事をすることになったことが挙げられるのです。今までもお金をいただいていたわけでもなく、完全に趣味でお話を書かせていただいていたのですが、お仕事の都合上、趣味で書かせていただいていたとしても、副業あるいはそれに準ずることとして扱われる可能性があり、もしもその解釈で合っていたとすると、お仕事先にもご迷惑をおかけすることになってしまう、そうなってはならない、と考えたことで、Azur Valkyrie様の皆様にも、今後お話を書くことができなくなりそうであること、とりあえず、最後のお仕事として、このお話を完結させることと、近いうちに解説編のまとめを作ってお渡しすることということをお伝えして、現在に至る、というところなのです。

実は、他にも様々なキャラクターさんのお話を考えていた私であったのですが、それらすべてを形にしてみなさんにご覧いただくことができないのは、とても残念なことではあるのです。

ただ、私の書かせていただいた「Aile de Lien」「Le vent de hope」は、今後もAzur Valkyrie様のページ上に載せていただくことができること、いろんな方に、Azur Valkyrie様のシンボルのようなお話として見ていただけたこと、それだけで、私はとても嬉しいのです。

最後になるのですが、私がお話を書くのはひとまずここまでとなるのですが、もしかしたら、いつか復帰させていただくこともあるかもしれないのです。 その時がもしもあったとするならば、ぜひまた作品をご覧になっていただきたいと思いながら、ご挨拶とさせていただくのです。では、またお会いできる時を願って。

2018年11月5日 Kokoroより皆様へ



サークルリーダーより


今回は二回も失礼します(>_<)

美海視点のお話もこれで最後です、美海好きなみうみすとの者たちは

もっと読みたい!と思ってくれてる事でしょう。

そして、Aile de line そしてLe vent de hopeの著作である

Kokoroさんからもあった通り、彼女の作品は一度、休止状態。

という形にさせていただきます。今後は他のメンバーの作品を

中心として載せていただく形になります~、Kokoroさんの

状況次第ではまた書いてもらう事もありますが、私も

彼女の事情と、無理はさせたくないので基本的に

各個人のペースでやらせてもらっています、

私も煽られるのは嫌いなもので..w

長々と失礼しました、よければ是非色んな方に

オススメとして伝えてもらったら嬉しいです、では

今後ともAzur Valkyrieをよろしくお願いします('◇')ゞ


出典:YouTube様「桜ノ雨」 https://www.youtube.com/watch?v=Bc283_Ic79g


Le vent de hope 終


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